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ケニアでの活動―1998年1月~2018年3月 |
首都ナイロビから高速道路を北へ、そして東、ソマリア方面に向かう幹線道路を2、3時間走るとマシンガ県、先にミグワニ県、ムインギ東県があります。これらの3県は半乾燥地で、カンバ語を話すカンバ人(ケニアで5番目の民族グループ)が主に住み、農業と牧畜の半分ずつを生業として、暮らしています。 CanDoは1998年から20年間、3県の小学校と地域社会において、教育、保健、環境保全の課題の解決に取り組み、住民主体の社会開発の協力活動を行ないました。 ―1998年1月~2014年 キツイ地方ムインギ東県/2011年~14年 キツイ地方ミグワニ県/2013年~18年3月 マチャコス地方マシンガ県 |
小学校で |
教育 |
■教科書配布 ムインギ東県の小学校では教科書も教室も不足している状況の中で、地域の大人たちは、子どもの教育に意欲的でした。最初の活動として1998年~2000年、3~4人で1冊を使えるように県の2郡の小学校に教科書を配布しました。 ■施設拡充―教室建設、土留め壁造りと教室の構造補修 1999年、保護者と協力して教室建設を開始。保護者は、現地の資材を収集・調達し、焼成レンガを作り、資材を管理、職人を雇用・監督して、補助労働を提供。CanDoは資材と道具を供与、専門家が技術指導をして、建設マニュアルを提供します。恒久的な教室建設の技術を地域に移転することを意図していました。 ミグワニ県とマシンガ県では、土壌が流出して露出した教室の基礎を保全するための土留め壁造り、倒壊しそうな教室の構造補修も行ないました。3県で105校の施設拡充に関わりました―教室建設72教室、構造補修124教室、計196教室。 |
環境保全 |
■環境教育と環境活動 干ばつが頻発し、環境の劣化が進んでいる地域での保全の取り組みとして、2000年からムインギ東県で環境教育と環境活動を行ないました。ミグワニ県とマシンガ県では、保護者による環境活動として実施しました。 |
保健 |
■教員へのエイズ教育研修 ケニアでは1999年にエイズ国家災害宣言が出され、2003年から小学校の低学年からさまざまな教科でエイズが扱われました。2004年の学校保健の調査で、教員の知識は正確でなく、また不十分なことが分かり、2006年、ムインギ県でエイズ教育研修を始め、翌年、3課程に発展させました。3教育区で実施。ミグワニ県では全5教育区、マシンガ県では2教育区で実施しました。 ■早期性交渉予防の取り組みと教員への研修 女児の早期妊娠とそのための中退が続く小学校で、専門家による予防教育を行なってほしい、とムインギ東県教育局長から要望されたのは2010年のこと。問題がある学校を訪れて行なう早期性交渉予防の取り組みを始めました。1日目は教員向けの研修、2日目は保護向け研修と教員と保護者の話し合い、3日目が子どもへの保健トークです。次の段階として、教員への集合型の研修を実施し、修了した教員が行なう保健トークに協力。ミグワニ県、マシンガ県でも実施しました。 ■地域保健ボラティア(CHV)による保健活動 マシンガ県では、後述する地域保健ボランティア(CHV)の多くは、また小学校の保護者です。2017年~18年、CHVによる、保護者を対象とした学習会を開催しました。 |
小学校に併設された幼稚園で |
保健 |
■参考図書供与と教師への保健研修 就学前の子どもたちの施設として、小学校に併設されている幼稚園では、勉強の面が中心で、教師の保健の知識や技能は不足していました。2003年にムインギ東県で、2014年、ミグワニ県で参考図書を配布しました。 ■体重計の供与と成長の記録カードの配布 幼稚園では身体計測などを記録していないところが多く、健康状態の把握ができていないことから、2005年にムインギ東県で記録するカードの配布と記入法の研修を始めました。他の2県でも実施。 ■保健活動の促進 2012年~13年、ミグワニ県の5つの幼稚園で、保護者を対象とした子どもの健康に関する学習会を開催し、関連した保健活動を実践しました。 |
地域社会で |
保健 |
■基礎保健研修 教育協力から始め、環境保全と保健を統合した地域開発を目指していたCanDoは、2001年、ムインギ東県で出産適齢期(18~30歳)の女性を対象に、基礎保健研修を開始しました。「男性にも研修を」という声があがり、男性向けの研修も行ないました。ミグワニ県では対象を男女一緒にして実施しました。 ■エイズと母性保護の学習会 ムインギ東県では、2004年の調査でエイズ問題が深刻なことが分かり、申請を受けて実施する形で、教員と保護者、地域住民と対象とした学習会を開始。参加者が集まることもあれば、集まらないこともある、という状況から、2008年に村のリーダーである村長老への研修を行なってから、公開学習会を開催する形に変えたところ、参加者数は増えました。同様に重要な母性保護も扱うことにしました。ミグワニ県では最初に公開学習会を行ない、次に基礎保健研修を実施という進め方にしました。 ■エイズ・リーダー研修 ムインギ東県とミグワニ県で、エイズに関する知識や情報を収集して、住民に教えていくことができる地域のリーダーを養成することを目的に、研修を行ないました。修了したリーダーは、自ら参加者を集めて、エイズ学習会を開催しました。 ■地域保健ボランティア(CHV)の育成 マシンガ県では、保健局から地域保健ボランティア(CHV)育成の協働が提案されました。CHVは担当する世帯に情報を提供、病人や妊婦に医療機関への受診を促し、地域保健単位(CHU)ごとに定期的に集まって状況を報告します。機能しているCHUの率は低い状況でした。CanDoは地域リーダーへの研修を実施、村を訪問して育成研修を受講するCHV候補を村人の秘密投票で選出し、保健局と協働で4週間の研修を行ないました。2014年~17年、8HCUを形成し、2CHUを再活性化しました。無給で活動するCHVの意欲を高めるために、子どもの保護、エイズなどの追加研修を実施。修了したCHVは学習会を開いて、その内容を住民に伝えました |
環境保全 |
■環境の学習会と実践 ムインギ東県では、地域住民を対象とした環境への取り組みも行ないました。そのうち辺縁の山肌にある9つの村では学習会を開き、実践につながるよう家庭訪問を行ないました。 3本の木の棒をAの形に組み、石を結んだひもを下げる簡単な測量法(Aフレーム)、ササゲマメの葉の乾燥保存など、ミグワニ県とマシンガ県の小学校での保護者による環境活動でも扱いました。 |
ナイロビのムクル・スラム群で |
CanDoが活動を始めるきっかけは、首都ナイロビのムクル・スラム群ルーベン・スラムの厳しい環境での暮らしと、村落部から続く流入に対して、何ができるか、という問いかけでした。半乾燥地での開発協力に取り組む一方で、1999年~2014年、ムクル・スラム群で、最初は高校生への奨学金支援を、次に休暇期間中の補習授業への支援を行ないました。 |
2022年9月9日 更新 |