2008年度(平成20年度)外務省日本NGO連携無償資金協力事業報告 | ||
●事業実施期間: 平成20(2008)年9月23日〜平成21(2009)年9月22日 ●事業の実施成果: 本申請事業は、3年間の計画で、エイズ問題が急速に日常化し深刻化するムインギ県ヌー郡・ムイ郡において、それぞれの小学校の通学圏内の村々の集まりである学校地域社会を単位として捉え、小学校・幼稚園・成人学級におけるエイズ教育の質的向上をはかるための教員トレーニングと教授実践の促進、学校地域社会の住民への広範なエイズ基礎知識の普及、村の保健リーダーの育成と保健活動の促進をはかり、学校地域社会の関係者が相互に連携・協力することによって、エイズ問題に対処する社会を形成することに協力するエイズ教育事業である。 学校地域社会のなかの関係者である教員・地域リーダー・地域住民、それぞれの関係者にエイズに関する知識・技能を普及することによって、これら関係者が、これら適正な情報に基づいて、自発的・自律的に地域の子どもたちをエイズから守るために話し合いや行動を開始するよう協力する事業である。 第2年度開始にあたり、地域住民のエイズ問題に対する危機意識は高いものの、この危機感から、問題の本質を包括的に理解し、解決にむけた行動を志向する対処意識の形成へとは展開していない段階にあった。この段階で、エイズ学習会に地域住民が数多く参加する状況を形成するには、エイズ問題に積極的に対処する意識をもった地域リーダーを発掘・育成することによって、これら地域リーダーがエイズ学習会開催にむけて地域住民を説得・先導する状況を構築することが課題であると判断した。 この地域リーダーの育成として、これまで女性を対象として実施してきた基礎保健トレーニングをもとに、男性対象の基礎保健トレーニングを形成して、対象地域の全ての村から代表住民を受け入れるトレーニングを実施した。また、村の公的リーダーである村長老のリーダーシップを高め、関係構築をすすめるための「地域の健康のための戦略会議」を形成した。 この村長老の協力をえて、当会専門家が、村に入って当会の提案で開催する公開学習会を形成することにより、前年度の課題であった学習会への住民参加に大きな改善がみられた。また、学習会のテーマも、エイズとともに、母性保護学習会を新たに形成することができた。 また、エイズ問題に取り組む教員の育成に関して、小学校学習指導要領に沿い教科書を題材として、教室の授業での日常的な実践につながる2日間ずつ3課程の計6日間の教員エイズ教育トレーニングとして、本年度に第3課程を開発して、全課程のトレーニングを実施した。 エイズ問題に対処する住民活動の形成については、当会に関わる保健グループの組織化に限定して活動していくことに限界があると判断し、郡内で住民の生計活動に起因する環境劣化の危険が高く、住民が情報へアクセスすることが困難なムイ郡の山肌の辺縁地に限定して、村の既存の様々なグループに対して、地域の固有性に着目した環境と健康に関わる知識・技術の提供を行なう学習会を実施した。 直接裨益者数総数は、初年度実績1,459人ならびに第2年度目標値2,495人に対して、第2年度実績は3,704人を達成することができた。一方、ひとり半日あたりのトレーニングを1単位として積算するトレーニング指標では、初年度実績2,853単位ならびに第2年度目標値5,490単位に対して、第2年度実績は5,082単位となった。 |