2007年度(平成19年度)外務省日本NGO支援無償資金協力事業報告

●事業名称 「住民参加に依拠した小学校・幼稚園の施設拡充事業」

●対象国及び対象地域 ケニア共和国東部州ムインギ県ヌー郡およびムイ郡

●事業の実施期間 平成19年5月29日 〜 平成20年5月28日

●事業の実施成果

本申請事業は、3年間の計画で、エイズ問題が急速に日常化し深刻化するムインギ県ヌー郡・ムイ郡において、それぞれの小学校の通学圏内の村々の集まりである学校地域社会を単位として捉え、小学校・幼稚園・成人学級におけるエイズ教育の質的向上をはかるための教員トレーニングと教授実践の促進、学校地域社会の住民への広範なエイズ基礎知識の普及、村の保健リーダーの育成と保健活動の促進をはかり、学校地域社会の関係者が相互に連携・協力することによって、自発的・自律的に地域の子どもたちをエイズから守るために話し合いや行動を開始するよう協力するエイズ教育事業である。
そのなかで、初年度事業の達成目標として、数多くの地域住民を対象として、当会専門家からエイズに関する標準的かつ基礎的な知識・技能を3時間程度で直接に提供するエイズ学習会に多くの住民が参加することによって、品質の高いエイズに関する知識・技能が、学校地域社会のなかに広範に普及することをめざしていたが、住民の学習会参加は低調であった。
このことから、地域住民のエイズ問題に対する危機意識は高いものの、この危機感から、問題の本質を包括的に理解し、解決にむけた行動を志向する対処意識の形成へとは展開していない段階にあるものと再分析した。既存の地域リーダーのなかから、エイズ問題に積極的に対処する意識をもった人たちを発掘・育成することによって、これら地域リーダーがエイズ学習会開催にむけて地域住民を説得・先導する状況を構築することが課題であると判断した。このため、第2年度以降に予定していたエイズ問題に取り組む地域リーダーの育成を初年度の重点事業とし、地域リーダー対象のエイズ教育トレーニングを開始した。
また、エイズ問題に取り組む教員の育成に関して、小学校教員については、教員対象エイズ教育トレーニングへの積極的な参加希望があり、当初計画していた2日間の集合型トレーニングを、更に拡張して、2日間ずつ3課程の計6日間のトレーニング・プログラムに変更した。このうち、第2課程までのプログラムを開発してトレーニングを実施した。
直接裨益者数総数は、当初予定した1,825人に対して、成果は1,459人にとどまった。一方、ひとり半日あたりのトレーニングを1単位として積算するトレーニング指標では、当初予定していた2,410単位に対して、成果は2,853単位を達成することができた。

●日本NGO支援無償資金精算額: 81,095米ドル

詳細な事業報告書はこちらをご覧ください。(PDF:660KB)